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2022年11月18日

Petitコラム.003「野菜に関する世界の研究データを知る」/ "totorie" Preacher Club

"totorie" Preacher Club(TPC)では、あしたの私をつくるケアカタログ「トトリエ」に掲載している情報を 掘り下げて発信しています。普段の生活でも役立つアカデミックな情報を院内でもお役立てください。


過去2回にわたり、“野菜の重要性”について紹介してきました。
第3回目のPetitコラムとなる今回は、「野菜に関する世界の研究データ」についてお話しします。
患者様に野菜の重要性をお話しする際に、会話に盛り込みたい知識です。


多種多様な色の食べ物を食べるメリット

例えば、「玉ねぎを食べると元気になる」と言われていますね。
これは、玉ねぎに含まれる有効成分が細胞のミトコンドリア数を増加させ、 ミトコンドリアが糖質や脂質を使ってエネルギーを生産することで、ダイエット効果や持久力向上につながるというメカニズムです。
他にも、紫蘇を食べることで「認知能力」や「記憶力の向上」に良い影響を与えることも明らかになっています。

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これらは一例ですが、野菜ごとに含まれる有効成分は異なり、良い影響を与えるヒトの機能も異なります。
多種多様な野菜をバランスよく摂取することで、総合的に健康メリットを享受することができます。

近年の研究では、彩り豊富で多種多様な野菜や果物を食べるメリット(EAT A RAINVOW)について分析が進み、 ポリフェノールやフラボノイドが発見され、少しずつメカニズムが解明されてきています。


野菜摂取と老化

細胞の中にある染色体(DNA)の末端には「テロメア」という呼ばれる部分があります。 これは、染色体(DNA)を保護している部分です。
ところが、酸化ストレスや炎症ストレスを受けるとどんどん短くなり、DNA自体が損傷して細胞を複製できなくなります。これを「老化」と呼びます。

研究データによると、Natural Dietary Fiber(天然の食物繊維)の摂取量が多いほど、テロメアが長いという研究データがあります。
天然の食物繊維を多く摂取する方が、より若々しく細胞が老化しにくい状態を保つという事です。

最後に、皆様が興味深い「肥満」に関する研究データをご紹介します。


野菜と肥満

まず最初に、食事内容と肥満がどのように関係しているかを研究したデータをご紹介します。
データでは、以下の3つの関係が明らかになりました。

・野菜をよく食べる人ほど肥満が少ない
・マーガリンやバターを使ったサンドイッチなどをよく食べる人は肥満傾向が1.8倍高い
・スイーツやスナックをよく食べる人は肥満傾向が2.3倍高い

一般的によく言われていることですが、改めてデータを示されると自身の普段の生活で思い当たるところを反省したくなります。

次のデータは、食物繊維を食べた後のGIPホルモンの分泌量が減るというデータです。

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GIPは、上部小腸から吸収された食べたものを脂肪細胞に蓄積するように働くホルモンです。
ホルモンが多く分泌されれば、より栄養を貯めこみ、太りやすくなるという事です。
データからわかるように高食物繊維の食事を食べることで、GIPの分泌が減少し、太りにくくなります。
野菜から先に食べると良いですよという科学的な裏付けデータの一つですね。

参考:一般社団法人栄養コンシェルジュ協会 栄養コンサルティング基礎プログラム 第2部より

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【バックナンバー】
テーマ1:野菜の重要性
Petitコラム001「野菜に含まれるフィトケミカルの機能性」
Petitコラム002「食品カテゴリーマップを使って会話する」